© 2018 by COAT LLC.                            

  • coat

植物と壁

最終更新: 2018年10月23日

築40年の建物、一部内装の解体をして床を剥がした状態で、埃っぽくて少しカビ臭い現場で作業を始めるころは考えてもみなかった、今回の仕事で体感したこと。


植物のスタイリングを手掛ける「RESSOURCES(ルスルス)」との出会いは、かれこれ10年程前になる。

我々が内装仕上げを全面的に担当させていただいた美容室の植栽スタイリングをルスルスが担当されていて、そのスタイリングがとても素敵で、特に階段室にあしらわれたリースが、たまらない存在感を放っていて、惚れてしまった。

植栽、特殊塗装の施工業者として両者を選んだ、内装の設計者にお互いを紹介していただいて、お付き合いが始まった。

それからは時々、我々が扱う小さな案件で、スタイリングをお願いする程度なのだが、いつでも全力で熱い温度で対応してくれて、それが伝わってお客さまの反応も熱いものとなるのが常だ。

だから、むしろ薄っぺらい仕事はお願いできない。

植物愛のボルテージが高くて、ひとつひとつを「この子」と呼ぶ、ルスルスの扱う植物たちがすこぶる元気であるのも体感済みである。



そんなルスルスの移転が決まった。

吹き抜け5mのトップライトから自然光が降り注ぐ、都心とは思えない稀に見る物件。これは上手くリノベーションすれば素晴らしい空間になると関係者の誰もが予感するなか、COATに全体のカラープランニングと表面仕上げをご依頼いただき、工事がスタートした。


オーナーの希望を多方向から読み取り、COATカラープランナーの小林明子が色彩計画を立て、提案と話合いを繰り返し、オーソドックスではあるが絶妙な色彩が決まった。


ただ、通常だったら色彩と同じように質感を重視するのだが、今回の物件の壁面下地は、ベニヤの上に布クロス貼りであったため剥がすこともできず、そのまま上から塗る、という方法を取る事となった。

壁の表面が平滑でない為に、いつも使っている独特な質感を得られるGLASS PAINTが使えず、どうやって良い雰囲気を出そうかと思案するなか、超マットで柔らかな質感に仕上がる自然塗料、SOIL PAINT「HiRaLi」の可能性が浮上した。


そこで閃いたのが、空気の浄化や消臭、湿度の調整の機能を持ち合せるSOIL PAINTと、植物の浄化機能の相性の良さ。

植物のお店にSOIL PAINTを使うことが、かなり良いアイデアであると確信。

相乗効果でとても爽やかな空間が生まれそうだ。


植物の浄化といえば、まず葉の気孔から有毒ガスを含んだ空気を取り入れ、有毒ガスの約30%を葉で吸収し、 残りの約70%は根に運ばれ、根のまわりにいる微生物が吸収分解するそうだ。 観葉植物たちがごく自然に行っている呼吸、光合成などの活動で、シックハウス症候群の原因にもなる 有毒ガスを除去しているという。


そして、粘土をベースに石灰岩、陶土、大理石など天然の資源のみで作られたSOIL PAINT「HiRaLi」はといえば、原材料は自然のものだけを使い、地球環境にダメージを与えず、係わる全ての人々に害を与えないという基本理念が素晴らしい。。

そして、素材の性質上、通気性が高いため、水分の調整機能にすぐれており、結露や水滴などに効果的。また、有機陽イオンの吸着効果により、プラスイオンをマイナスイオンに変える働きをもっていて、さらに臭気吸収性も備えている。


COATとしても以前から何度か使用経験はあったが、今回ほどの大面積でSOIL PAINTを使うのは初めてだったので、改めて使用感や特徴を掴みながらの作業となった。

普段からなるべく安全性の高いペイントをチョイスしているが、大面積を塗っていてるにもかかわらず全く比較にならないほど匂いが無い。あるとすればほのかに土のような匂いがするだけだ。

作業をする人にしてみたらこれは本当に気分が良くて、作業を楽しむことができた。


これを全体の70%ほどの面積に塗った。カラーはCOATオリジナルカラーで、一見オーソドックスなオフホワイトながら複雑な調合を施してあり、時間帯や光の入り方によって、少しBlueやGreenを感じたり、グレイッシュに見えたり、一日のうちでも変化を楽しめる色。


こうしてルスルスの新店舗は、素晴らしく気持ちのいい、そして味わい深い空間に生まれ変わった。オーナーさんにもとても喜んでいただけて一安心。


SOIL PAINT「HiRaLi」( 輸入元:株式会社KS AG https://hilari.co.jp/

人にも地球にもダメージを与えず、室内環境も良くなって、色や質感も素敵なこのペイントは、これからのスタンダードとなるべく開発されたペイントだと思う。

COATでは通常のラインナップを含め、COAT ORIGINAL COLORとしてオリジナル色を中心にまもなく販売開始いたします。


ヤマグチオサム